
香りが強く甘い果実、
初心者でも育てやすい。
ふっくら丸い実に赤い種が特徴の、白いいちご品種。もともと家庭菜園用に開発されたため、病害虫に強くプランターでも育てやすいうえ、赤いもの以上に甘みがあるので、とても人気があります。四季なりに近い特徴があるので、春から夏前まで長期間収穫できるのも魅力です。販売:カネコ種苗
【天使のいちご®AE】DATA
- 商品名
- 天使のいちご®AE(エンジェルエイト)
- 登録品種名
- ももいろほっぺ8号
- 分類
- Fragaria × ananassa
バラ科オランダイチゴ属×アナナス属多年草 - 草丈
- 15~30㎝
- 収穫時期
- 5月~7月上旬(最終開花後約1か月)
天使のいちご®AEは、営利を目的とした果実の生産に許諾の契約が必要です。
栽培許諾についてのご案内(カネコ種苗)
※海外持出禁止(公示(農林省HP)参照)
※収穫後の青果物販売並びに、許可なくしての苗の増殖は禁じられております。
How to grow
基本の育て方


Points of how to grow

地植えでも鉢植えでも、春と秋の2回楽しめる。
天使のいちご®AEは、四季なり性を持つため、ポット苗が出回る春(3月)・秋(10~11月)どちらに植えても収穫できます。 鉢植えの場合は、6号以上の鉢に1株を植えます。畑・花壇では、株と株との間を30cm〜40cmほど空け、プランター栽培の場合は幅65cmのプランターに3~4株ほど植えるのがベストです。

土へ植える深さに注意しましょう。茎の付け根のふくらんだ部分(クラウン)はいちごの成長点なので、土に埋めてしまうと実が大きくなりません。クラウンはしっかりと地上に出して、植えるようにしましょう。

いちごはランナー(苗についている軸)と反対側に実がつきます。そのため、畑に植える場合は、ランナーを畝の内側に、プランターの場合は苗についている軸をプランターの内側になるように植えましょう。畑では、実が地面につかないように敷きわらかシルバーマルチがおすすめです。

「害虫よけ」「病気予防」「生長促進」をさせるため、いちごのそばにコンパニオンプランツを植えましょう。おすすめはキク科1年草のカモミール。香りも良く可愛らしい花が咲き、料理やハーブティーにも使える万能ハーブです。

いちごを植える2週間前に肥料と土を混ぜて慣らしておこう。
いちごの根は肥料に直接触れると傷むので、畑の場合は植え付けする2週間ほど前から、苦土石灰・完熟堆肥・有機肥料を混ぜ込んで慣らしておきます。
肥料は、植え付け2週間後と収穫期前、さらに収穫の3週間後ごとに少量ずつ肥料を与えます。手間はかかりますが、その分甘くなりやすいので、がんばってお世話してください。

秋冬は控えめに、春夏は土の乾き具合を見ながら。
鉢植えの場合、植え付け直後は根が広く張るよう、苗の様子を見ながら水やりを控えます。土が乾いたら朝のうちにたっぷり、底から流れるくらい水を与えましょう。
乾燥に弱いので、水切れさせないようにしてください。12月以降は休眠期に入るため、土が完全に乾いてから、週に1回程度水やりをします。

1株につき2~3つの花を残してすべて摘み取ろう。
いちごは、日当たりの良い場所がよく育ちます。
大きい実をつけたいなら、咲き始めた房の花を先端から1~3つ残し、他はすべて摘み取ります。早めに摘み取ることで、次の花が咲きやすくなります。株の出来具合で、個数を決めてみてください。
肥料が不足すると実が大きくならないので、収穫期前は液肥をこまめに与えます。

受粉を確実に行い、良い実をつけるお手伝いをしましょう。
良い実をつけるために、花が咲き始めたら、人工授粉に挑戦してみましょう。
授粉ができる気温の目安は15~25℃。晴れた日の朝に行います。
絵筆や綿棒を使って、花の中央のあたりをそっと回すようになで、花粉を雌しべにつけます。果実がふっくらし、表面の種が赤く色づいたら収穫のサインです♪

うどんこ病やアブラムシ・ハダニによる害に注意。
害虫を防ぐには、アブラムシを葉裏に寄せつけないように、シルバーマルチを敷くのがおすすめです。また、こまめに周囲の雑草を抜き、古い葉を取り除くなどのお手入れも大切。それでも虫が来るようなら、家庭菜園用防虫剤で駆除します。最近では、酢などを使った自然成分の防虫剤も販売されています。
How to enjoy in the vegetable garden
家庭菜園の楽しみ方
グリーンスタイリスト古橋くみ子さんに学ぶ「天使のいちご®AE」の楽しみ方




「天使のいちご®AEが登場した時は、“なんてかわいいいちごなんだろう!”と衝撃を受けました」と話す、グリーンスタイリスト古橋くみ子さん。「熟すとほんのりピンクになって、真っ赤な種が輝くんです。見た目もかわいいですが、食べてみると南国のフルーツみたいに甘くて、育てる楽しみがありますね」。
天使のいちご®AEは、家庭菜園用に開発された品種なので、どなたでも簡単に育てられますが、大きくて甘い実にするには、ちょっとしたコツが必要。そんな失敗しない栽培のポイントを古橋くみ子さんが分かりやすく紹介します。
■撮影協力/みよしぱくぱくファーム
極力農薬を使わず、作物の持つ力を引き出して栽培している いちご農園。「天使のいちご®AE」をはじめ、「章姫」「かおり野」「とちおとめ」「よつぼし」も栽培しており、12~5月にはいちご狩りも楽しめます。




VERY PLUS ONE 株式会社代表
グリーンスタイリスト
古橋 くみ子先生
グリーンスタイリストとして年間5000人の園芸レッスンを開催。
初心者にもわかりやすい解説が人気で全国で園芸教室、イベント、講演を務める。
雑誌、メディアなどにも植物を通し衣・食・住にあったライフスタイルを提案している。
オリジナル商品などではヒット商品も多数販売されている。
VERY PLUS ONE株式会社の各種公式SNS
Birth story
天使のいちご®AE/誕生STORY

いちごのオリジナル品種を作りたくて赤品種で家庭菜園用を目標に2011年から交配を始めました。ところが全くの素人がいくら工夫しても全国の県単位試験場には歯が立ちません。そこで隙間テーマは”家庭菜園用四季成り性”と”白いちご”に目線を止め、再挑戦です。
”白”は名古屋の市場で白の実を買って分解。”四季成り性”に夏秋いちごを母株にしました。
答えはすぐに出始め、2014年”ももいろほっぺ2号”で白いちご初申請。実の形抜群!色も素晴らしい!でも甘味が不足。
次に3号→7号と品種登録出願をしましたが、もう一つしっくりしません。3号は色がピンクになってしまうし、味が粗雑。7号は1果重も収量も多く、申し分なかったのですが、実形と色が悪く楽しくありません。
しかも、ももいろほっぺ3号の時期に、ランナー増殖にまだ慣れない角田ナーセリーでは得体のしれない白いちごはいらないとのこと。
捨てるには惜しい、という思いで出した八ヶ岳展示会でカネコ種苗さんの目線をいただき、J.Gardenで家庭菜園苗としての販売が決まりました。
間もなく始めた兄弟交配の末、8号が誕生。この品質なら面白い展開になりそうと予感。地道に付き合っていただいたおかげでカネコ種苗さんの苗販売の中でも良い位置になりそうです。
この品種の登場によって、家庭菜園用白いちごのジャンルの基礎が出来上がりました。